働く会社を選ぶ基準を決めていますか?

とりあえず勤務地と職種で選んで、何となく興味をもった会社に応募したりしてませんか?

あなたが求人サイトで求人情報を検索してみた理由は何ですか?

何となく今働く会社が嫌だから、転職するという選択肢もありかも、という人も多いと思います。

つまり、
1、既に転職をする意思を固めている
2、明確に会社を選ぶ基準がある

そして、その基準に照らしてあなたにマッチしている会社が人材募集をしているかどうか確かめようとして求人サイトをチェックしてみたのではない人たちです。

「何となく」
「とりあえず」
「つい」

そんな気持ちで求人サイトをチェックしてみた人は、その時点では応募をしてはいけません。

そんな人は求人サイトの魔力に人生を狂わされてしまいます。

求人サイトの魔力、恐ろしさとは?

2の前に1、つまり、『今、転職をすべきか否か』を判断することが先であって、かつ、より重要ですが、ここでは2について触れます。

あなたが求人サイトをチェックする時、明確な会社を選ぶ基準を決めていなくても、あなたが応募したくなるような会社の求人情報を探し出せるように、求人サイトは求人検索フォームを設けています。

新卒向けの就職情報でも転職者向けの転職求人サイトでも、どの求人サイトも「勤務地」「職種」で検索します。

この『転職者のための福岡の会社情報』では「勤務地」は福岡なので「勤務地」で選ぶ必要がないのでありません。「職種」については、個別の求人募集案件を掲載する求人情報サイトではなく、会社の情報を掲載するサイトなので、「職種」によって選べるような情報の掲載方法ではありません。

確かに多くの転職者にとって、どこで働くか、どこで生活するか、つまり「勤務地」は重要なスクリーニング項目です。

職種についても、これまでのキャリアを活かしたいから同じ職種で転職したいという人も多いし、例えば営業をしているけど営業は合わないから事務職に転職したいと、未経験だけど働きながらも簿記の勉強をしてきたから経理で転職できるのであれば転職したい、とあらかじめ職種を決めている転職者もいます。

では、会社を選ぶ基準を明確に決めていない人は、『勤務地』と『職種』でスクリーニングしてヒットした求人情報の中からどうやって応募する企業を選びますか?

例えば、

2020年4月に『福岡』『営業』で募集している求人に

「めざせ年収4000万円」

「入社初月の給与が160万円でした」

というキャッチコピーの求人情報がありました。

 

「年収4000万円も可能な会社なんてあるのか?」

「若い女性が入社したその月に160万円も稼いでるって本当か?

どんな人なんだ?

どんな仕事をしているんだ?」

と思って、その求人検索結果からその企業の求人情報ページをクリックしてみたくなります。

 

興味本位で。

 

高額な給与を前面に出している企業の狙いは、その興味本位です。

 

そしてその求人サイトも、そのクライアント企業が希望する通りのキャッチコピーを受け容れて制作します。

 

その企業の募集要項をクリックしてしまった方は、その求人企業の狙いにまんまとはまってしまったわけです。

 

年収4000万円も可能だ、という求人情報を見て、『給与』で転職先を決めようという会社を選ぶ基準を最優先にしていなかった人が、『高額な給与』に興味をもってしまって、ある求人情報をチェックしてしまった結果、

「どうせ働くならやっぱりたくさんお金をもらえる会社がいい」

という新たな会社を選ぶ基準があなたの中で無意識に強くなったかもしれません。

 

求人サイトをチェックする前に、明確な会社を選ぶ基準が決まっていない人は、求人情報をチェックしながら、あいまいだった基準がさらにあいまいに、二転三転、右往左往しながら何となく応募してしまったりします。

 

それが求人サイトの魔力、恐ろしさです。

 

あなたが働く会社を選ぶ基準とは、あならの人生の座標軸、つまり、これからの人生をどうやって生きていくか、に沿ったものでなければ不幸な転職となってしまう可能性が高くなってしまうのです。

 

働く会社を選ぶ基準を決めていないのに求人情報をチェックして何となく応募してはいけない

求人サイトをチェックする前に、明確な会社を選ぶ基準が決まっていない人が求人サイトを何となくチェックすると、

「年収4000万円を目指せるっていうから興味が湧いて、何となく応募してみたけど、書類選考通っちゃったよ。」

「書類選考通過したから一応面接に行ってみたんだけど、何でかわからないけどその日のうちに採用が決まって、すぐに入社して欲しいなんて言われた。何だか評価されたみたいでうれしくなって入社しますって返事しちゃった。」

なんてことになるかもしれません。

 

もちろんそんなプロセスで転職、入社した人でも、その会社で活躍できる人はいるでしょう。

 

でも考えてみてください。

『あなたが働く会社を選ぶ基準は何ですか?』

 

いくつかの基準があると思います。

そして、絶対譲れない条件とできれば叶えたい希望条件があると思います。

 

その答えを明確にもっていない人は、現時点では応募をしてはいけません。

 

あなたが働く会社を選ぶ基準を明確にすることが先です。

 

いくつかの条件が出てきたら、それらは絶対譲れない条件なのか、絶対じゃないけどできれば叶えたい条件なのかに分けます。

 

そしてそれぞれの優先順位をある程度決めておきます。

 

全ての絶対条件をクリアする企業とは出会えないかもしれないし、ある条件はクリアしても、ある他の条件はかなりかけ離れている、ということもあり得ます。

 

例えば、あいまいな表現をしますが、『やりがい』と『給与』、『勤務地』を条件にしているとします。

『やりがい』に関しては、明確にこれが絶対条件という線引きはできません。

『給与』は現在と同じ500万円以上を絶対条件としているとします。

『勤務地』は福岡市内限定です。福岡市内と言っても、自宅は西区なので、東区や南区のかなり不便な地域は避けたい。

 

ある企業の求人情報が目に留まりました。

『やりがい』はかなり高そうです。

『勤務地』は博多駅近辺なので希望通り。

 

でも『給与』は入社時初年度は想定年収、実際には賞与最初の半期の賞与は支給されないので、支給されたと仮定しても年収で400万円。条件から100万円も低い。

 

そして最初の半年の賞与が支給されないので、転職初年度額面の年収は340万円くらい。

 

「年収500万円から400万円に下がっても家族を支えていけるか」

「敢えて年収を100万円も下げる転職をする必要があるのか」

「『やりがい』と『給与』のどちらを優先するか」

「実際に年収400万円で生活することがそもそも可能なのか」

『やりがい』を感じられないから転職を考えているけど、そんなことより仕事をする目的はお金だと割り切った方がいいのか」

「時間をかければ他にもっとマッチした会社が見つかるだろう」

「『給与』をもう少し上げてもらえないか相談してみよう、もしできなければお断りしよう」

など雇用条件について真剣に考えることになります。

 

転職を決めるか思いとどまるかを決断しなければならない段階で初めて真剣にそれぞれの条件について比較検討することになります。

 

それが内定をいただいてから全ての条件がそろうので、返事をするまでの数日から数週間で決断しなければなりません。

 

元々あなたがしっかりとしたライフプラン、キャリアビジョン、人生の座標軸をもっていて、それらを元に会社を選ぶ基準を明確にしていれば、あなたにとっての正しい判断ができます。

 

家族がいる転職者であれば、条件面は事前に話し合いをしてある程度は理解をしておいてもらうことも必要です。

 

あなたが決める『給与』や『勤務地』はあなたの家族も当事者なのであなたが一人で決めてから事後報告するとその後の関係に悪影響を及ぼすかもしれません。

 

求人サイトをチェックしながら、あなたが働く会社を選ぶ基準を決定していく、という方法は必ずしも間違っているわけではありません。

 

興味を持っていた会社や業種、職種の求人で募集要項にある採用対象者を見て、自分はそもそも対象にならないことを知った、あるいは現時点では対象にはならないことを知った、そのことで、会社を選ぶ基準を変更した方がよいかもしれない、と考えるようになった、というケースもあります。

 

会社を選ぶ基準をもってなかった人が、なんとなく興味をもった求人情報に偶然出会って応募した、というケースとは全く違います。