株式会社TRN　福岡本社　上場を目指す不動産賃貸管理会社

恐らく２０１８年から２０１９年に転職求人サイトのリクナビネクストに掲載した求人広告での株式会社TRNのキャッチフレーズは『完全土日休み◆全国152社・425店舗の加盟店、4万5000戸のリノベーション実績を持つ独自のビジネスモデル「リノリース」で上場を目指しています』。https://next.rikunabi.com/company/cmi2077986001/?__m=1590989159519-1326485733120650494

ところが、
現在株式会社TRNのホームページでは株式上場を期待させるような情報は一切ありません。

売上高も公開されていないのに株式上場予定をうたっている会社は珍しいと思います。

例えば、２０１９年に福証Ｑボードに上場したピー・ビーシステムズ。
創業間もない頃より上場を目指していて経営状況を公開していました。
何度か上場を実現しようとした年に受注環境が悪化したり、市場が悪化したりして、時間がかかりましたが遂に２０１９年に上場。

本当に上場する計画があり、実現性が高い会社だと信用していました。

株式会社TRNは「売上高とか利益について、今のところは一切公開するつもりはないけど上場を目指しています」という会社。

近い将来に更に売上高、利益が大きくなったら公開するのかもしれませんが、人材採用のために、『株式上場予定』『株式上場を目指しています』という会社も結構あるので、株式会社TRNの現在のＩＲ方針から見ると甚だ疑問ですね。

株式会社TRNの売上高についてウェブで探し続けると、ふくおか経済のウェブページがみつかりました。https://www.fukuoka-keizai.co.jp/company/trn%E3%82%B0%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%83%97/

『17年12月に開催した第5回「リノリースCLUB全国大会」では、全国から集結した約230人の加盟店を前に2021年までの中期経営計画を発表。今後4年間で売上高16億9,500万円、経常利益3億3,900万円達成を目指す』

との記事広告です。
ふくおか経済という雑誌は記事広告を書いて収益を得ています。
この記事広告の日付はないので定かではないけど、２０１７年１２月の集会のことを広告にしているので２０１８年１月から３月頃かもしれません。

２０１７年から２０１８年にかけての時期に、記事広告で４年後の年商目標を打ち上げているわけなので、当時の売上は約１７億円から数億円少なかったと推測できます。

とすると、
株式会社TRNの売上高は２０１８年頃は１０億円から１２億円くらいでしょうか。

その後目標通りに売上高がアップしたとして
２０２２年に約１７億円が目標なので、２０１９年の株式会社TRNの売上高は１１億円から１３億円くらいでしょうか。

株式会社TRNの売上高は気になるところではありますが、株式会社TRNのビジネスモデルは、自社で管理する物件に入居するエンドユーザーである入居者から直接いただく管理費は管理物件数と入居者が増加すれば増収になるし、管理物件は多くなって経費も増加する一方で入居者が伴わなければ利益率が減り、赤字もあり得るビジネスです。
ですが、不動産管理会社はそれほどリスクが高いビジネスモデルではなく、赤字になる企業は多くはありません。

では株式会社TRNの経営体質はどうなのか。

前記のふくおか経済の記事広告によれば、
『17年7月にはこのリノリースバックの仕組みを生かした大家向けサイト「KARIRU」をオープンした。これは空室を抱える大家がサイトに登録すると、同社が法人入居者として10年間借り上げて賃貸経営をサポートするもの。契約に諸条件や規定はあるが、原則として管理手数料、原状回復費、広告料の負担がなく、30日以内で契約できるという。』

中小企業が必死になって、リスクをかなり背負ってでも不動産所有者にメリットを訴えていくビジネスモデルと言えます。

不動産所有者は、自分の入居物件の入居率次第で儲かるのか損するのか決まるので、入居率を上げるために悩んでいるわけです。

だけら、不動産管理会社は、満室になった時に想定される満額の賃料の一定の割合の金額を決めて、入居率にかかわらず、不動産所有者に賃料を支払う形で借り上げの契約をするという提案をしている企業が大手も中小にもたくさんあります。

不動産管理会社側がリスクを負う代わりに、できるだけ少ない経費で入居率を上げて賃料収入を上げることができれば不動産管理会社側は儲かるし、できなければ損失が発生します。

不動産所有者側は、満室を想定して比較すると利益率はかなり低くなるけれども赤字になる心配はなくなります。

このような不動産管理マーケットにおいて、不動産管理会社が不動産所有者を囲い込むには、どれだけ自社がリスクを負うか、ということに目を向ける会社もあるわけです。

それが株式会社TRNです。

リスクを軽減させる手段は二つあるのではと思います

一つ目はもちろん入居率を上げること。経費も抑えられれば尚良しです。

もう一つは、規模の拡大でリスク分散することです。
１部屋しか所有していない不動産所有者は、その１部屋の入居率は１００％か０％かになってしまってリスクが高い。１０００部屋所有していて、３００部屋の空室がある場合の利益率と１０部屋所有していて３部屋の空き室がある場合の利益率は同じですが、そこから１部屋、また１部屋と空き室が増えていった場合の利益率は、１０部屋の所有者の方が激しく悪化していくわけです。

だから、株式会社TRNは『クラブ』をいう組織形態をつくって、他の企業も巻き込んで規模の拡大をしてリスクヘッジをしようとしているのだと思います。

同じようにリスクヘッジをしたい企業同士が提携すれば良好な関係構築です。

そして株式会社TRNにとっては、福岡に地域密着ではなく、全国組織の会社のように見せかけられるので、エンドユーザーの不動産所有者に安心感を与えることもできているのかもしれません。

規模を継続して拡大できれば、入居率が低い場合であっても、何とか自転車操業でキャッシュが回っていけるかもしれませんが、入居率の低下と規模の拡大がストップあるいは減じることになったら一気に経営破綻の可能性もあるビジネスモデルに見えます。

株式会社TRNが資金調達をした、というニュースが出れば、それはキャッシュが回らなくなって延命措置に使われるのか、事業推進に必要な資金なのか見分けが難しいところです。

２年くらい前の転職求人サイト、リクナビネクストでは『株式上場』を謳っていた株式会社TRN。

それが現在の株式会社TRNのウェブサイトには株式上場に関するアピールも売上や利益計画も出していない事実からすると、『株式上場』というのは、リクナビネクストで求人を成功させるための『株式上場するする詐欺』だったのかもしれません。

福岡ではソフトウェア開発会社の『株式会社ソフトサービス』が１０数年前から１０年近く『株式上場予定』と謳っていましたが、いつの間にか『株式上場』を目指すとか予定とか言わなくなりました。たくさんのＩＴ企業が株式上場していったことから『株式会社ソフトサービス』も本当に株式上場するかもと期待して転職した社員もたくさんいることでしょう。人材採用における『株式上場するする詐欺』と呼んでいます。

ここで転職求人サイトの「エン転職」のクチコミサイトのクチコミを参考にしてみます。
３人の回答しかないのですが、最も気になるのは、５段階評価で最低の１と評価せれている項目が２点もあることで、今まで転職求人サイトの「エン転職」のクチコミサイトを確認してきて、株式会社TRNは見たことがない最低評価をされています。

「会社の成長性 ・将来性」と「仕事を通じた社会貢献」の評価が最低の１です。
「経営陣の手腕」は２と低評価。唯一「イノベーションへの挑戦」だけ高評価の４です。

このような株式会社TRNに最低評価をしている社員は株式会社TRNの成長性、将来性はない、と思って働いているんですね。

その原因は２と評価している経営者の手腕なのかもしれません。

加えて、３人の平均ですが、平均年齢３０歳で年収２５０万円というクチコミデータ。

不動産管理業界は相場的には給与が低い業界ですが、それにしてもそれが事実であれば株式会社TRNはかなり給与水準が低い会社になります。

株式会社TRNのホームページには新卒採用も中途採用もページがなく、２０１８年と推定されるリクナビネクストの過去求人広告ページへのリンクが張られているだけです。

採用にはあまり力を入れていないのでしょう。
社員数約３０名で、社員を増加させずに、ネットワーク組織を拡大して体質を強くしていこうという経営方針かもしれません。