自治体向けシステム開発では九州のリーディングカンパニー。
もちろんメーカー系など東京本社の大手システム会社は官公庁も含めて政府が発注するシステム開発業務の元請けで、自治体向けシステム開発にも大きな存在感をもっている。

行政システム九州を中心とするGcomホールディングス株式会社グループ以外で福岡地場のシステム開発会社で他に自治体向けシステム開発をしているのは、筑豊地区に強い、麻生グループのシステム開発会社である株式会社麻生情報システム。

とは言え、株式会社麻生情報システムは最近は自治体向けシステム開発よりもグループ会社の麻生飯塚病院やそこで培ってシステム開発技術を他の医療機関にも展開する、医療機関向けシステム開発や学校向けのシステム開発やハードウェア販売、ネットワークシステム構築に力を入れているので、全国レベルで自治体の仕事をとっている行政システム九州を中心とするGcomホールディングス株式会社は福岡本社の独立系システム開発会社として圧倒的な存在感です。

自治体向けシステム開発に特化していることは、会社としての将来性、安定感はどうなのか、意見が分かれるところかと思います。

自治体が合併する数と分割される数では、今後も合併していく数の方が増える可能性が高いでしょう。
すると、合併に際しては、システムの統合や変更があるために一時的に自治体向けシステム開発の仕事は増えて、Gcomホールディングス株式会社のような自治体向けシステム開発会社は潤います。

しかし、自治体の数が減るので、新規開発や導入後の安定収入である管理の件数は減るわけです。

自治体の数は減っても総人口は減ってないんだから管理委託料も人口に比例していただくだろうから、自治体向けシステム開発会社の収入は変わらない、ということにはなりません。

そのような合併、自治体数の減少が繰り返されていけば、行政システム九州、Gcomホールディングス株式会社グループのような自治体向けシステム開発は既存顧客や見込み顧客は確実に減っていくわけです。

だから日本国内の自治体向けシステム開発のマーケットは縮小していくことになると言えると思います。

かと言って、ソフトウェア製品、アプリケーション開発のように海外に進出することは非常に難しい業界です。

海外の政府や自治体の仕事をとっていくには、その国独自の慣習があって、クリーンに入札で技術力や価格で仕事がとれるわけではないからです。

行政システム九州がグループ企業を束ねてホールディングス会社であるGcomホールディングス株式会社を設立して１０年になりますが、恐らく縮小していくマーケットで存在感を増していくためには、グループ企業での年商は１００億円を超える、という規模を大きく見せたいということも理由にあったのかもしれません。
あるいは、グループ企業に、経営不安があったので、グループ企業に全体で共存共栄しようという理由があったのかもしれません。

転職求人サイト「エン転職」のクチコミサイトで社員や元社員のクチコミを確認してみます。

投稿者は
40代 / 男性 / IT系エンジニア（アプリ開発、ITコンサル 他） / 現職（回答時） / 正社員
20代 / 男性 / IT系エンジニア（アプリ開発、ITコンサル 他） / 現職（回答時） / 正社員
30代 / 男性 / IT系エンジニア（アプリ開発、ITコンサル 他） / 現職（回答時） / 正社員
60代以上 / 男性 / 企画・事務・管理系（経営企画、広報、人事、事務 他） / 退職済み / 正社員

４人しか投稿していませんが、予想外に『会社の成長性・将来性』の評価が低く２．７です。

20代 / 男性 / IT系エンジニアは事業の展望について、『国が法律を定めたらその仕様に沿ったシステムを開発する。そのため、景気に左右されることがなく、安定した事業内容となっている。』と言います。

30代 / 男性 / IT系エンジニアは事業の展望について、『平成の大合併のように今後もユーザー数の絶対数が減少する不安がある。』と言います。

行政システム九州、Gcomホールディングス株式会社グループの現役社員でも意見は分かれています。

行政システム九州の過去の売上高を調べてみましたが、Gcomホールディングス株式会社グループとなる前の、2008年6月期は79億円ということだけしかヒットしませんでした。

その数年前からGcomホールディングス株式会社グループとなる時期にあたって、行政システム九州やグループ各企業は年々売上高が減ってきていたのか、社員数の増減はどうだったのか、知りたいところです。

働く側にとって、行政システム九州やGcomホールディングス株式会社グループはどのような会社なのか。

自治体向けシステム開発のマーケットで、ここまで存在感があって、いきなり倒産することもなく支払いが滞ったり逃げられたりすることもなく安定収入が見込めるクライアントがほぼ１００％なので、数年先の経営見通しが立ち、安定感はあるので、ある日突然リストラ、社員削減ということはなさそうです。

長く働きたい人にとって、やりがいはどこにあるのか。
もちろん人それぞれですが、パッケージを自社で開発しているということは、上流から下流まで全ての工程に携われる、ということはひとつの大きな魅力です。

ユーザーである自治体の人たちに提案し、折衝していくので、その点も大きな魅力となりそうです。

直請け、自社開発、パッケージ開発、特化した業界でリーディングカンパニー、富士通の協力会社でもある、給与水準はそれなり、という環境なので、会社の魅力はかなり高いと思います。

次に、行政システム九州やGcomホールディングス株式会社グループで自治体向けシステム開発に特化してエンジニアとしてキャリアを重ねていくことは、成長できるのか、何らかの事情で他の会社に転職しなければならなくなった時に、転職市場は、行政システム九州やGcomホールディングス株式会社グループのエンジニアをどのように評価するのか、という視点で見てみます。

パッケージ開発のエンジニアも導入エンジニアも自治体システムの業務知識がないと、この業界のエンジニアは仕事にならないので、業務知識は豊富でしょう。しかし、同業界、つまり他の自治体向けシステム開発会社に転職するのでなければ、その業務知識は活かせません。

パッケージ開発エンジニアのスキルはどうでしょうか。
「Acrocity」はウェブのパッケージシステムで、募集要項にはjavaのスキルが求められているということは、javaで作られているのでしょうから、ウェブエンジニアとして他社に転職することは、年齢次第で十分可能でしょう。

パッケージ導入エンジニアのスキルもクライアントへの提案から経験しているので、同様に評価されることでしょう。

パッケージ導入のインストラクターはどうでしょうか。
エンジニアとしての技術的なスキルはあまり要求されない代わりに、ユーザーにインストラクションする経験があるので、自治体システムの業務知識は活かせなくとも、インストラクション経験は、他の仕事にも幅広く応用が利くでしょう。

転職求人サイト「エン転職」のクチコミサイトでは
『自治体システムの開発に特化している分、スキルの幅が狭くなるし、キャリアを重ねて行っても、スキルが上がるわけではない。早く辞めた方がよい。』
というようなクチコミがありますが、『新卒就職・転職者のための福岡の会社情報レビュー』としては、Gcomホールディングス株式会社は、長く働きたい人にとっても魅力的な会社だし、事情があって転職しなければならなくなった時でも転職市場で評価されるような年齢相応のキャリアを築ける会社だと思います。